大きく分けると2種類いた両班(ヤンバン)

韓国時代劇ドラマで主要な立場を占める両班(ヤンバン)。これについては『両班(ヤンバン)―李朝社会の特権階層』という本が詳しいです。新書で買いやすいお値段なので興味がある方はぜひどうぞ。

もともと両班とは、宮廷に参列する官僚たちの総称でした。東側に文官(=東班)が、西側に武官(=西班)が並んでいたため、この両方の班をさす言葉が「両班」。ドラマ「龍の涙」でのナレーションによると、王朝を開いた太祖の時代に生まれた言葉です。

けれども、じゃあ両班って何?という定義はひと言ではなかなか説明できないほど難しいらしく、ビミョ~~な基準が多々ありました。まず、両班には大きく分けて2種類があり、一つめは、都(漢陽)に住む在京両班(または京班)。都に住んでいるので何かの役職についていることが多く、社会的にも名門として認知されやすかったそうです。

難しいのが二つめ。地方の農村部の在地両班(または郷班)です。いろいろな条件をクリアした血族集団(あくまで集団)が“なんとなく地域から両班として認められた”結果、両班となります。この場合の“なんとなく”というのは、決してなし崩し的に簡単になれるわけではなく、曖昧だけどシビアな基準がありました。

その基準とは、数代にわたって住み続け、科挙合格者を出し続け、科挙には応じないが高名で尊敬される学者を生み出し、一度は中央で活躍する有名な人材も輩出し、両班的なライフスタイルを送り、結婚相手も同等・・・などなど。けれども全てを満たしている一族はとても少なく、長~い年月(ex.100年)をかけて社会から認定されていくそうです。(書籍の中では「両班化」という表現がよく出てきます)

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