あのシン・スクチュによる日本ガイドブッグ『海東諸国紀』

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価格:987円(税込、送料別)

海東諸国紀
著者:申叔舟/田中健夫 出版社:岩波書店

シン・スクチュ(申叔舟)といえば、ドラマ「王と妃」で長き話数にわたって存在感を放っていた重臣。集賢殿の学者たちが端宗を支持する中、世祖を支え(変節漢・スクチュナムルが有名ですね)、功臣たちにも一目置かれながら重職を歴任して出世しました。「王と妃」はハマリ役というか、本当にこんな人だったんじゃないかと思わせるキャラでした。「ハンミョンフェ」ではちょっと童顔な方が演じていらっしゃいますね。「王と私」ではいかにも悪徳重臣的な扱いで、悪役っぽいお顔の方が扮していました。

この『海東諸国紀』は、そのシン・スクチュが琉球や日本について著した本。開いてびっくり!なんと漢文訓み下し文なんですよ~。といっても、現代かなづかいで、ルビも豊富にふられており、注釈もいっぱい。行間もゆったりしており、昔の本よりはずっと読みやすいのでそんなに怖がる必要はありません。ボリュームもそれほど多くはないです。

構成は、前半が漢文読み下し文(『海東諸国紀』本文の訳)。日本の地理、歴代天皇、人々の暮らし、外交における規定(「応接紀」)などが記されています。予想外におもしろいですよ!簡潔な文体で箇条書きのようにまとめられているので、100%ではないにしろだいたいの内容はわかります。そして後半の大半を占めるのが影印。原書のおそらく全頁をスキャンしたものが延々と掲載されています。歴史感は伝わってきますが、漢文ですので読み飛ばしました。最後が解説。こんなにボリュームと読みごたえがあり、しかも参考になる解説は珍しいかもしれません。

『世界の歴史(12)明清と李朝の時代』(岸本美緒/宮嶋博史)によると、シン・スクチュは文武両道に秀で、外交官・学者として傑出した業績を残したマルチタイプ。李朝初期にはこのような人が多くいたものの、16世紀以降はスケールが小さい人物しか出ていないとか。そんな彼が記した『海東諸国紀』は非常~~に歴史的価値が高く、李氏朝鮮でも官僚の大切なマニュアルだったそうです。

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