最近流行中(?)の朝鮮王朝本3冊を読み比べ

「出せば売れる」状態なのでしょうか?『知れば知るほど面白い』シリーズにつづいて朝鮮王朝の歴史に関する本が相次いで出版されています。どれもお手ごろ価格なのがうれしいですね。ということで最近購入した似たような(?)3冊について、感想を紹介します(比較検討される方が多いのではと思ったので一冊ごとに分けずに同じページにまとめました)。

『知れば知るほど~』シリーズはかなりドラマに寄りかかっていて、情報量もあまり多いとはいえず、何作か時代劇を見た方には物足りなさもあると思います。それに比べて下記3冊はそこまでドラマメインではなく、宮中生活に関する小ネタなどが豊富です。「ドラマではわからないことを知りたい」方には私なら下記3冊をおすすめします。

『歴史と人物でわかる華麗なる朝鮮王朝』

著者:佐野良一 出版社: 角川学芸出版

王や両班について、王妃や側室たちのこと、そして庶民の生活まで、当時の暮らしや風習に関する豆知識が豊富です。『朝鮮王朝実録(日本版のことです)』にこういうことはほとんど掲載されていないので、史実かそうじゃなかったかなどとは関係ない部分でためになります。何かにつけてドラマの名前を引き合いに出すというコンセプトではないので、ドラマをあまり見ていない人でも興味があれば楽しく読めそう。

『朝鮮王朝の王と女たち』

著者(解説):水野俊平 出版社:青春出版社

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今回の3冊の中では一番ドラマよりですが『知れば知るほど~』ほどではなく、読み応えもあります。上記の『華麗なる~』と同じような豆知識とともに、逸話の多い王や王妃や側室などを軸とした人物中心の章が大半を占め、豆知識は宮中メインで、宮女と尚宮についての説明が充実。そして「教えて水野先生!」というコラムが随所に差し込まれており、これは『実録(日本版)』などの情報を単に編集しただけのものではなく、歴史書を著した専門家によるナマの解説なのでありがたいと思いました。それから巻末には各王について簡単にまとめたプチプチプチ実録っぽいコーナーがあります。

『朝鮮王朝500年の秘密』

著者:橘洸次/姜基洪 出版社:二見書房

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上記2冊は文庫本でしたが、こちらは単行本サイズ。巻頭にドラマをもとにさらっと歴史解説したコーナー。そのほかはおもに宮中メインの豆知識です。朝鮮王朝ファッションと食事についてもそれぞれ一章を割き、ていねいに図説しています。全国の宮殿とお城の紹介もあり、巻末には系図・品階表・科挙の流れ・年表が掲載。単行本サイズのせいか紙面が見やすく、全体的にわかりやすい構成です。視覚的な読みやすさも重要なポイントという年代の方にすすめるなら私はこれを挙げます。

上記3冊もいいけど、やっぱり・・・

それから最後に付け加えておきますと、「情報量」や「読み応え」だけを重視するならば、『知れば知るほど~』や上記3冊のような本ではなく、『朝鮮王朝史』『王妃たちの朝鮮王朝』『朝鮮王朝実録』に勝るものはありません(高いですが、充足感からいえばてっぱんな3冊です)。ほとんどのお手軽歴史本やドラマガイドの参考文献となっている「元ネタ」でもあります。でも庶民の暮らしや食事とかファッションの豆知識は記されていないので、楽しみながら補うという意味で上記3冊を活用できるかと思います。

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