「超」初心者・入門者が知っておきたい(?)韓国歴史ドラマの「当たり前」

歴史ドラマの数をこなすうちに初々しい気分は薄れてきた私。それでも最初の頃は、今となってはしごく当たり前のことがすごく新鮮だったり、ドラマ全体の中ではたいしたことではないのにすごく大事件!だと思っていたりしました。今回は初心に立ち戻り(?)そんな「韓国歴史ドラマの当たり前」をまとめました。「超」初心者・入門者の方にのみお役に立つかもしれない記事です。

「日本でもそうだったじゃん?」「具体的に説明すれば違うよ」のような詳細な検証ポイントや突っ込みどころもあるかもしれませんが、私が「韓国歴史ドラマではそうなんだー」と新鮮に受け止めたことを、まずは単純明快に(デフォルメも含めて)挙げていきたいと思います。ですので、時と場合によって違う、時代によって変化した・・・などはちょっとさておきということでご理解いただければ幸いです。(「2時間サスペンスの自白は必ず崖の上」的なものを挙げたとお考えください)

★娘を産むのは罪
正しくは「息子を産めないのは罪」なのかもしれません。一般家庭でももちろん男児尊重ですが王室の描写ではなはだしいです。出産という命がけの大仕事を終えても、生まれたのが娘だったら、「不徳のいたすところ」なのです。私は初心者の頃に見た「女人天下」で、娘を産んだ文定王后が「私に何の罪があるというのか」と悲しみの涙を流し尚宮たちも嘆いていたシーンがあって大ショックでした(何はともあれ出産ばんざい!ってなムードがゼロだったので)。反対に王子を産むとエバれます。おわたりが増えます。王に寵愛されます。大妃にもほめてもらえます。権力が増します。側室の位が昇進します。

★庶子はとにかくさげすまれる
王妃が生んだ子と側室が生んだ子では扱いが大きく違います。これは両班家庭にも当てはまり、どんなにエライ人の息子でも母親が側妻だと日のあたらない人生です。

★使用人に人権なし
宮女や内侍もある意味そうだったりするのですが、奴婢は主人にとって財産であり「モノ」です。気に入らなければ何をしてもかまいません。

★流刑は通るべき道
ドラマではしばしばおエライ政治家が弾劾されて島流しにされます。現代の私たちの感覚だと「もうこれで前科者!ひえーっ」などと思ってしまいますよね。でも韓国歴史ドラマにおいては両班男子たるもの出世の過程で一度や二度の配流を経験するのはフツー。党争や権力争いに負けて数年地方支社へ行くくらいの感覚でしょうか。そのうち都に呼び戻されて政界に復帰します。よほどのことをしでかすとウーロン茶賜薬を飲まされ、謀反人になるともっとすごい刑で天国へ行かされます。

★王族という身分の危うさ
王族はたしかに身分は高いです。ですが「王位を狙っている」と思われると最後なので、政治に興味がないふりをし、酒や女にふけることも多いです。というかドラマにはそういう王族がしばしば登場します。実は経済的には困窮していたりもするけど王族の見栄は保たねば・・・というちょっとお気の毒な境遇にある場合も多く、官職の口利きの見返りは彼らの重要な収入源でした。

★「威厳」の意味
何も喋らなくても威圧感や風格のある人を「威厳ある」と感じたりしませんか?でも韓国歴史ドラマで「これぞ王室の威厳」「中宮殿の威厳」と表現されるのは、ぶっちゃけて言えば「大きな声で強い語調で厳しく言うこと」「厳格な処分を下すこと」だったりします。もっとわかりやすく言うと「エラそうに上から目線でふるまうこと」ですね。あとは行事をゴージャスにすることも「威厳」にあたります。

★二種類の座り込みを攻略せよ
まずは、官僚たちが座り込んで政治的な主張を大声で叫ぶ座り込みがあります。この連座のときはだいたい官服を着ています。最初の頃は私も「すごい大事件!」と思って見てましたが、ある意味、恒例行事のようなもので、しょっちゅうやってます。「女人天下」では連座しまくって要望をゴリ押ししていて、まるで中宗への嫌がらせのようでした。いつも要望をゴリ押しできるかというとそうでもなく、そのときのパワーバランスや王の計算にもよるので、座り込んだことで左遷されることもあります。

対して、白装束を着てカツラや帽子をはずしてござマット(むしろ)に座るのが席藁待罪です。悪いことをして謝り、主君の処分を待つという行為です。本当に詫びる気持ちでするときと、我を通すパフォーマンスとしておこなうことがあります。ドラマでは後者が多いですね!

なお、王が「譲位する」と言い出したら、世子(王位継承者)は何も悪いことをしていなくても席藁待罪をしなくてはなりません。臣下は座り込んで譲位に反対しまくらねばなりません。様式美です。だいたいの場合、王は譲位を取り消すので、座り込んでおかないと後で命がないのです。

★「いっそ私を殺してください!」を本気にするなかれ
初心者の頃、このセリフには本当にびっくりしました(ウブだったんですね♪)。でもこれは単なる謝罪の言葉であり、だいたいの場合は王様は許してくれます。逆にもし「じゃあ賜薬な!」と言われると死に物狂いで悪事を否定することでしょう。ですので、「許してください」くらいの意味に捉えておくのが賢明です。

★賄賂はほどほどに?
昔はどこの国でもそういう面があったと思いますが、李氏朝鮮で賄賂はごくフツーのことでした。口利き料や各種お礼・贈答で社会が成り立っていましたし、王も賄賂が飛び交っていることを知っていたと思います。ではどういうときに問題になるかというと、程度が度を越した場合や大きな不正。そしてある人を弾劾しようと思ったときは、賄賂が問題にされます。

★嫉妬はご法度
女性は側室や側妻に「嫉妬」してはいけません。嫉妬するのは悪いことであり、夫から離婚される正当な理由にあたります。側室や側妻は、大切な夫に「お仕え」し、子供を生んで家門を栄えさせてくれる存在なのです。でも側室や側妻は決して正妃や正妻に逆らってはいけません。

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