知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物 |
『知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』
著者：康熙奉 出版社： 実業之日本社
高価な歴史本が多い中、比較的お求めやすく、しかも最近出版されたばかり。これは「買い」でしょう！と購入してみました。正直、史劇ドラマをいくつか見たことのある人にはそんなに目新しい内容はありません。内容的にもボリューム的にも、読み応えという点では物足りなさを感じます。
たとえば張禧嬪については「貧しい幼女時代を送り、知り合いの後押しで宮女になり、教養も品性もなかったが美貌と虚栄心は人一倍。粛宗がコロリとだまされ、おぞましい策を弄して王妃になった」と、なんともまあ2時間サスペンスの悪女ばりな単純すぎる説明。ドラマでは描かれてない部分を深く知りたいという欲求を十分には満たしてくれません。取り上げる王様も、世宗・燕山君・粛宗といったドラマ界ではメジャーな顔ぶれをさらりと説明している印象。地味な存在？の顕宗（粛宗の父上）なんかに迫ってくれるとかなり有り難味が増すのですが・・・ 。
とはいえ、初見の小さなトリビアはいくつか掲載されています。「困ったら張禧嬪」には笑いました。お手頃価格だったので、とりあえず買っておいてよかったなとは思います。どちらかといえば、すでに韓国歴史ドラマをたくさん見た！という方よりは、これからたくさん見たい！という方の入門書としておすすめ。詳しく突っ込んだ歴史書ではありません。あきらかに韓流ブームに乗じて出版された本なので、ドラマや俳優の名前を挙げながらの説明も多く、とっつきやすさは◎。男性週刊誌を思わせるカジュアルかつ平易な語り口で、字も大きいのですぐ読めます。
