両班らしいライフスタイルとは?

両班たちはどんな毎日を送っていたのでしょうか。書籍『両班(ヤンバン)―李朝社会の特権階層』によると、彼らに大切なのは「奉祭祀&接賓客」。これをきちんとこなすことこそが両班的な生活だったそうです。

ドラマを見ているとなんとなく理解はできますが、ご先祖様をうやまい奉ることは生活における重要事項。そういえば「女人天下」では、ずうずうしい側妻ナンジョンが家の祠堂に入りたいと騒いでましたっけ・・・。それだけ存在感のある行為だったのでしょうね。ある両班の記録によると祭祀が一年になんと28回もあったとか。韓国の現代ドラマでも、お金持ちの人々が祭祀のためにかなりの準備をしているシーンが出てきますので、昔はそれ以上に手間ひまかけた準備が必要だったはず。相当な時間を祭祀に割いていたことになります。

お客様のスマートなおもてなし術もセレブには欠かせません。客は贈り物を必ず携えていき、帰るときには必ずお土産をもらっていたそう。ある両班の記録によると10年あまりの間に2788回の贈り物をもらい、1053回の贈り物を与えたとのこと。驚きの回数ですね~!贈答経済が非常に大きなウエイトを占めていたとも書かれています。

このようにイベントと社交とギフトに大忙しの両班ご一族様。その役割を主に担う長男一家にはお勉強をするヒマなぞあるわけがなく、科挙合格者は長男以外の家から多く輩出されました。また、ひとくちに両班といえどもすべてが同等というわけではなく、由緒ある名門、没落気味の斜陽な一門、今をときめく一門などさまざまで、そのレベルを表す言葉が「班格」です。そして、火事が起こったらまず何よりも「族譜(チョッポ=家系図)」を持ち出して守るのが両班の大切な務めとされています。

さて、ドラマを見ている私たちが想像する両班像は、「瓦葺きの屋敷に住み、奥の間にでーんと座り、もらった賄賂で贅沢している」というもの。でも実際には瓦の家に住めない両班もたくさんいましたし、畑仕事をする(せざるを得ない)両班も多かったそうですよ(観光ガイドさん情報)。

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