『100年前の世界の王室 (100年前シリーズ)』
著者:マール社編集部 出版社:マール社
こちらは私が韓国歴史ドラマにハマる前から所有していた本。韓国と関係があるのは一冊のうちの一部だけですが、世界各国の王室の100年前の状況を“横並び”で眺めることができる新鮮な本なので紹介します。普通は王室関係の本というとたいていは欧州中心で、李氏朝鮮が出てくることはとても少ないです。この本は他の小国の王室も取り上げられていて、お買い得だと思います。
さて100年前といえば李氏朝鮮末期。この本では閔妃事件のあたりをクローズアップしています。10ページ以上にわたるので全体の割合からすれば少なくない量。ただ個人的に注目したのは、この事件の描写ではなく、民と王室の関係について説明した部分です。「王室は貴族に擁立されたので人民と利害が一致しない。王宮で災難があっても人々は憂慮しない」、つまり一般ピープルにとって王室は「他人事」だったと。ドラマでチョナ~が民心にお心を砕くシーンや、民が「王が国母を捨てるとは世も末だ!」などと酒場で嘆くシーンを見るたびに、この一節をややシニカルに思い浮かべる私です。