世祖時代の権臣ハン・ミョンフェの東屋・狎鴎亭の跡地

「王と妃」のウラ主役は彼なのではと思っているくらい、私にとっては存在感のあった韓明澮(ハン・ミョンフェ)。正確にはハン・ミョンフェというよりも、脚本、セリフ、役者さんのすべてがハマっていた名キャラクターだったのでしょう。そんな彼のゆかりのスポットに、空港送迎のついでに立ち寄ることにしました。

運転手さんに見せるための韓国語サイトをスマホにブックマークしてきたものの、翻訳して確認する時間まではなく、本当にそれが住所なのか正しい情報なのかなどもわかりませんでした。運転手さんは依頼の場所に連れていってくれますが、情報を調べるのは私の役目なので、前日にホテルのフロントに寄り、「ハン・ミョンフェの家に行きたいのですが、ジュソ(住所)はイゴ(これ)?」と、超カタコトの韓国語を交えながら日本語で聞きました。(注:基本的にソウルの主要ホテルのフロントでは日本語が通じます)

すると住所より何より「ハン・ミョンフェ」が通じず・・・(涙)。「セジョ(世祖)、ケユジョンナン(癸酉靖難)、サンダングン(上党君)」と言ってみたら、「ああ!」とわかってくれ、スマホを見て「そう、これが住所です(と書いてあります)」と教えてくれました。後でホテルのフロント内スタッフで、「ハンミョンフェ◎△*□◇・・・(の家があった場所を聞かれたのよ~)」「テレビドラマ*◎△※◇~(で見たんじゃない?)」と笑って報告しあっていましたので、確実にネタにされていたようです。

もちろん運転手さんにも「初めて行きます」と言われましたよ。場所は明洞側ではなく、漢江をわたったところにある江南地区。ちょっと高級とされているロデオ通りや現代百貨店などがあるエリアです。

これが現代デパート。
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高度成長期に建てられた現代アパート団地。
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このような建物がまさに林立しています。
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私が推測するに、おそらく住所として「現代アパートの◎号棟と◎号棟の合間のどこそこ」みたいな記載があったらしく、数字を確認した運転手さんは「大丈夫だと思う」とのこと。マンションのスタッフの人にも場所を聞き(たぶん「車ちょっと置いていい?」みたいなことも言ってたのだと思います)、目的地らしきところへ案内してくれました。

林立している棟の間をトコトコ歩きました。
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緑の径や公園なども設けられており、ゆとりのある住環境としてつくられたのであろうと推測できる団地でした。その一角にある公園の中に、ハン・ミョンフェの建てた豪華な東屋・狎鴎亭(アックジョン)の跡地だということを示す碑が現れました。

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しかーし!私が持っている写真と違うんです。写真の姿はもう少し立派なのです。なので、通りがかっているおばあさまに写真を見せて、「オディエヨ~(どこですか)?」と聞いたところ、「オプソ(ない)」というところまでは理解できたのですが・・・。後から運転手さん@日本語ペラペラに訳してもらったところによると、「昔はこの写真のがあったけど、建て直しだか復元だかをするらしく、今はない。今あるのはこれ」だそうです。

納得して後ろ姿もパチリ。
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ドラマで楽しませてくれたハン・ミョンフェの豪邸跡を訪れることができ、満足な私は、車中で運転手さんに聞いた話にびっくりしました。この現代アパート、とってもお高いそうなんです。江南地区が(どちらかといえば新興の)お金持ちが住む場所であるのは知っていますが、なんと一戸1億3千万くらいするそうなのです。

え!?1億3千万「円」?ウォンじゃなくて?(←それは安すぎ)と何度も聞き直し、単位も確認しましたが、日本に住んだ経験もある運転手さんの日本語は付け焼刃ではなく、間違いではなさそう。帰国して調べても価格帯に誤りはないとわかりました。というわけで、死後も億ションの合間で存在感を示す、高級志向なハン・ミョンフェなのでした。

補足すると、運転手さんいわく「高いし新しいわけじゃないので、若い世代は新しいマンションを好む傾向にある。しかも現代アパートは高いので売りづらい」とか。

また、狎鴎亭を区が復元するという2009年の新聞記事がヒットしますので、通りがかったおばあさまが話していたような計画がある(またはあった)のは間違いなさそうです。

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